「情報開示請求」をされて、民事裁判になったらどうなるか?『臆病者のための裁判入門』を読んでみた感想

ビジネス

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どうも!

「書籍独学ブログ」編集長の「ナル」です。

今回は、日本の裁判制度を細かく教えてくれる一冊、

著者:橘玲さん
「臆病者のための裁判入門」です。



書籍を読んだ感想として、

  • 「内容全体の流れ」
  • 「著者がいちばん伝えたいだろう」こと
  • 本の内容をもとに、最近のニュースと関係するをピックアップ

して書いていきます。

「書籍」という大量の情報の海から「ポイント」を「3つ」にギュッとしぼりました。

本書は「民事裁判」をメインに書かれています。

私の知り合いも「民事裁判」を経験しましたが、本当にややこしいです。

全体の流れを聞いていても「え?なにがあってそうなの?」と疑問は増えつづけます。

いちばんの疑問は「どのような流れで裁判をしているのか?」という根本的なもの。

日本でおこなわれる裁判の8割は「少額の民事訴訟」で、刑事裁判とちがい「法律にのっとって違反しているか」よりも「責任がどちらにあるか」だけを判断します。

刑事事件よりも、民事事件は日常的なことでも裁判はおきます。

複雑で数多く訴訟されるのに、スポットをあてられない民事。

もしかしたら、あなたにも突然「民事裁判のしらせ」は届くかもしれません。

「いつかくる」ために知識武装をしておきましょう。

■「臆病者のための裁判入門」の「目次」

本書は「実体験した民事裁判」をきっかけにはじまり、日本でおこなわれている裁判制度を細かく教えてくれます。

一字一句を読もうとすると疲れてしまうので、目次で全体の流れをサラっと読んでみてください。

はじめに 日本の民事裁判は本人訴訟で争われている

PART1 裁判所という迷宮をさまよって
1 訴訟に至るまで
2 民事調停
3 東京簡易裁判所
4 東京地方裁判所
5 東京高等裁判所

PART2 少額民事紛争に巻き込まれたら
6 紛争は当事者同士では解決できない
7 調停と仲裁
8 簡易裁判所の民事訴訟
9 本人訴訟
10 福島原発自己の損害賠償請求

あとがき

引用:『臆病者のための裁判入門』

■レビューポイント1 実体験で書かれている民事裁判の流れと現実

今回ご紹介する一冊は、橘玲さんの友人「トムさん」が保険会社に「少額訴訟」をおこすところから始まります。

「トムさん」は日本語に不安を持っているので、橘玲さんは「代理人」としてサポートします。

しかし、サポートを始めてからの裁判は複雑に変わり続けていきます。

裁判内容を複雑にした原因は、トムさんの交通事故案件を処理した「保険会社の社員」です。

トムさんは交通事故にあい、保険会社にも届け出していました。

交通事故の相手とも交渉は終わり、保険金が支払われるのを待つだけになっていました。

しかし、1年も時間がたとうとしたしたとき、事件は発覚します。

なんと、保険会社の社員(以下、保険社員)は手続きを勝手に進めて、保険金を支払われない案件として終わらせていました。

はっきりいって「異常」です。

保険加入者本人の意志を確認することなく、また内容を虚偽のものとしていました。

本来なら「交通事故としての処理」なら「保険会社から加入者へ」保険金を支払う義務があります。

しかし、トムさんに保険金は支払われていません。

トムさん自身も被害をうけていています。

なぜ、支払われていないのか。

外国人のトムさんは日本語を不得意としていたので、友人として橘玲さんも関わることにしました。

保険会社に「保険金がなぜ支払われないのか」を問い合わせると、すでに交通事故の手続きは終了しているというもの。

今回のトムさんの事故は「被害すべてを本人が負うもの」と、事故案件担当の保険社員が「独断」で終わらせていました。

それも、相手方の保管会社にも虚偽の報告をおこない、自社の上司にも同じように虚偽の報告をあげていました。

この「虚偽の手続き」をめぐり、トムさんと橘玲さんの2人は、「司法のブラックホール」へと飲み込まれています。

■レビューポイント2 裁判は、法律があってもスムーズにはいかない

トムさんと橘玲さんのお二人は、虚偽の手続きをした保険社員のいる保険会社に「訴訟」を起こすことを決めました。

理由は「保険金の支払いと、虚偽手続きを認めること」です。

まず、訴訟をおこすにはどうすればいいのかを調べ始めます。

無料で法律相談をしてくれる法律事務所をさがし「法テラス」というサポートにも相談をしていきます。

わたし「ナルヒサ」は読んでいて、司法の現場のややこしさにあきれました。

お二人が訴訟をおこすところから、実際に裁判になるまで長い。

本当に「お役所仕事」のネガティブ面をみました。

たとえば、担当する案件をあつかえる施設が違うといわれて、

  • 指示された場所へむかっても手続き上に問題があり、できない
  • そのご用件は向こうの窓口です
  • これはそっちの窓口です

と訴訟から裁判終了までがとにかく長い!

「もう法律ができあがっているのだから、裁判をおこすまでスムーズにいけるだろう」と思っていました。

裁判手続きもテンプレはあるのだからと。

現実はまったく違う。

一番おどろいたのは、簡易裁判所で働かれている人の中には「司法試験を受けていない人」がいることです。

簡易裁判所では人手不足を理由に「内部試験」というものがあります。

「内部試験」では

  1. 「専門知識」
  2. 「筆記」
  3. 「人格」

などの試験を合格すると、司法手続きは可能になります。

本当におどろきました。

司法試験を受けてなくても、裁判はできるとはじめて知りました。

本書の半分は、トムさんの裁判の詳細が書かれています。

後半の半分は、日本における裁判の事情を統計情報でわかりやすく説明されています。

そして、本書「臆病者のための裁判入門」は、令和2年、2020年のこれからこそ読むべき一冊であると確信しました。

読んでいるあなたにも、関係することです。

次の「ポイント③」で説明します。

■レビューポイント3 もし自分に「情報開示請求」が来たら

今回の書籍は、個人が起こした「少額訴訟」をメインに作られています。

企業同士のおおきな裁判ではなく「個人」から「企業」への裁判です。

動く金額も「〇千万円」などではなく「〇十万円」や「落ち度の認定」をもとめるもの。

ドラマで見るような法廷バトルはありません。

しかし、今の時代「2020年」だからこそ必要な知識のつまった一冊なんです。

なぜかというと、今年(2020年)、SNSによる誹謗中傷によって人が亡くなるという事件が起きてしまいました。

TV番組に出演していた人物に誹謗中傷が集中して「炎上」になっていました。

誹謗中傷の集中により、結果として出演していた人物は、みずから命を絶ちました。

事件発生後、政府は「情報開示請求」という制度を確立。

いまでは気軽に投降したSNSからも、個人を特定できるようになりました。

※「情報開示請求制度(じょうほう・かいじ・せいきゅう・せいど)」とは、インターネット上で他者を誹謗中傷した発信者の情報を、裁判所をつうじてプロバイダに対して情報開示を求められる制度。

「情報開示請求制度」を利用できなかった過去では、プロバイダにいくら開示請求をしても応じてくれませんでした。

理由は「個人情報保護にあたるため」です。

「個人情報保護」自体も大事な法律なので、なかなか目的である「情報開示」にまで発展することはありませんでした。

2020年の「情報開示請求制度」の確立で、今までとはガラッと変わります。

プロバイダは「手順通りの情報開示請求をされたら、開示しないといけない」という流れに変わりました。

とても素晴らしいことでありながら、いきなり「司法のブラックホール」にひきずりこまれる可能性も秘めています。

ここで、あなたに質問です。

Q「誹謗中傷の基準とは、なにをもって証明しますか?」

どれだけ気をつけていても、人によっては「言葉の受け取り方はちがう」という悩みは無くなりません。

「受け取り方がちがう」という悩みこそ、これからの「情報開示請求制度」において一番の問題になっています。

たとえば、SNS(Twitterなど)で有名人や権力者の行動にたいして、反論を書き込みます。

すると「なんだこれは!?わたしのことを悪く言っている!気に入らない。訴えてやる!「情報開示請求」だ!」と理不尽で横暴な手段をとることも可能になっているのです。

こちらとしては「一市民」としての意見で、悪意は一切ありません。

それでも、関係者本人とって「どう受け取るか」によっては「ただの書き込み」から裁判に発展することもあり得るのです。

もっといえば「わたしにとって不利益になりそうな人をだまらせたい。裁判をおこそう」という本来の「自衛行動」ではない「口封じ」としても悪用できてしまいます。

また「情報開示請求」は「開示される個人情報を、本人の許可なしでもできる」という怖さも持っています。

つまり、なにげなーくしたツイートや書き込みを理由に、いきなり裁判沙汰になってしまうのです。

いやな現実ではありますが、実際におきることは想像できます。

実際に裁判にまきこまれても対応できるように、まえもって「専門知識」をもっていて損はありません。

■まとめ

いかがだったでしょうか?

日本の裁判制度を知ることができる本書の内容を、ポイントをしぼって書いてきました。

ここまでのポイントをまとめると、

■レビューポイント①実体験で書かれている民事裁判の流れと現実

  • 日本でおこなわれる裁判で、一番多い種類は「民事裁判」による「少額訴訟」
  • ちいさな事故をきっかけに、自分から裁判をおこす必要もある
  • 裁判内容の種類はとても多く、だいたいは「日常的な問題」

■レビューポイント②裁判は、法律があってもスムーズにはいかない

  • 法律関係と言っても、お役所仕事とおなじ「細かいことばかりする」
  • 裁判ははじまってから長いと思いきや、はじめるまでも長い
  • 数年単位で行動する必要があると、頭にいれておく

■レビューポイント③もし自分に「情報開示請求」されたら

  • 2020年「情報開示請求制度」の確立で、裁判件数は急増する
  • ネットでのちいさな誹謗中傷でも、裁判になるケースも考えれらる
     また、権力者からの「口封じ」として裁判を悪用される可能性アリ
  • いやな現実だけど、実際に自分におきてもおかしくない

 の上記「3つ」でした。

「橘玲(たちばな・あきら)さん」の書籍は、いつもわかりやすく書いてあります。

「専門知識」を「知識なし」で読み進められて、現代の複雑な社会システムや金融経済を知るために、
著書はすべて必読です。

今回の「臆病者のための裁判入門」は、ネット社会になって自由な意見交換をできるようになった今だからこそ、現代人に必要な「自分を守るための一冊」です。

買って損なし、読んで間違いなしのおすすめです。

ご自分と身の回りの人を守るために、購入して読んでみてください。

今回は以上です。

では、また。

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